毎晩、寝るときに、子供が言います。
「ママ、だいすきだよ」
欲しいものを買ってあげなかった日も
保育園のお迎えが遅かった日も
小さなことを叱りすぎた日も
「ママだいしゅき」
何度も言いながら
寝ぼけながら、眠るのです。
何ができなくても
何が足りなくても
子供は私を、愛してくれています。
そこで私は
私が何をしたかったかを思い出します。
それは
良い母親をやることでも、何処かで聞いた、きちんとした躾けをすることでもなくて
子供が
何ができなくても
何が足りなくても
「愛すること」
「愛される存在なのだとわからせること」
居るだけでいいのだと
知らせること。
それを、繰り返し。
わたしがすべきことは
それだけだとわかったのです。
……
うまい例えが浮かばないので
先日のことをお話しします。
子供と美味しいハンバーガーを食べていて
子供の手や口のまわりにケチャップがべったり付いていました。
その手で私に抱きつきます。
胸に顔をうずめます。
私のお気に入りのキャメルのコートに、大きな赤いシミ。
「わあ、ママのコートが大変〜」
と思わず言ってしまいました。
けどすぐに
「ん?(なんか違う)」
と思いました。
私の服がどんなに汚れても
いつでも子供を抱きしめよう。
服は洗えば戻るけど
子供が私を求めるその瞬間は戻らないから。
抱きしめたあとで
「あれーママのコートがぁ笑」
って教えれば
わかりますからね。
いつでも
無条件に抱き締めること。
それだけが
私にできる
私がしたい
私がすべきことだと
気がつかされました。
……
「女性の愛」って
「鞘(さや)」みたいなものかな
と思います。
(剣を抜いたあとのカバーのことね)
戦ってきたものが
帰ってくる場所。
日々の激しい戦いに
どんなにボロボロに刃こぼれして
どんなに汚れて帰ってきても
その鞘(さや)入れば
戦いを終えられる。
帰れる場所。
だから女性は
ただそこに在ればいい。
そこに変わらず
在ってくれればいい。
あたたかく
やわらかく。
なのに、女性は
他より美しい鞘でないと…とか
新品のように見せないと…とか
私は鞘にふさわしくない…とか
腐って逃げて
自己否定して
あげくに、自分を肯定してほしくて、戦っている最中の剣を追い回したり。
「自己否定」して下げている分
「自己評価」を高めたくて。
そんな「独り相撲」で上手くいかない恋を、2万人の女性たちと関わるなかで、いくつも見てきました。
……
片思いでも
恋人になっていても
夫婦でも、同じです。
相手を悪者にして
自分の評価を上げようとしたり
相手を弱者にして
自分の強さを証明しようとしたり
相手を不幸だ決めて
自分が幸せにしてあげようとしたり
そして…
「自分」がどんなに素晴らしいか
「自分」がどんなに役に立つか
それを知らしめて
「だから私を愛して」と
「自分」の「価値」を証明するために
「相手」を「利用」しているのです。
自分を利用しようとする人に
近づきたい人はいません。
だから
寄り添えないのです。
……
自分を愛せていない人は
自分が愛されることを拒否します。
自己否定が強い人ほど
それを埋め合わせるために
結ばれない可能性が高い相手を選んだり
すでに愛されているのにそれを拒んだり
そうやって難解な恋を選んで
問題を生み出そうとしているのです。
……
どうか…
何ができなくても
自分は美しくないと思っても
人や自分を悪く思ってしまっても
「だいすきだよ」
と、自分に言ってあげてくれませんか。
最初は、嘘だと思ったっていい。
自分のどうしようもなさを
もう許してあげてくれませんか。
貴女が言えないなら
代わりに言います。
「あなたが、だいすきだよ」
だって…
まるで私を見ているようだから。
「あなたが、だいすきだよ」
どんなあなたでも。
……
私は、私の醜さを
嫌というほど知っています。
恐れも強い人間で、それを強がることで誤魔化して生きてきました。
弱いから、強がるのです。
醜いから、美しく見せようとするのです。
しかし…
愛とは、恐れを手放すこと
だとか言いますが
私は
「愛とは、恐れすら愛すること」
だと思います。
あなたが
どんな選択をしても
あなたが
何をしてもしなくても
何ができなかった日も
何ができた日も
あなたを
あなたという鞘(さや)に
帰らせてあげる。
無条件に。
疲れるのも
自分を責めるのも
あなたが、戦っているから。
自分に足りないものを
認めないために戦い
自分の嫌なところを
誤魔化そうと戦い
自分についた嘘を
忘れようと戦い
そのような不毛な戦いは
辛くて、疲れ果てるのです。
……
あなたが誰かより美しくなくても
あなたが誰かより何かできなくても
どこかの至らない親に向かって
子供が言うように
「だいすきだよ」と
丸ごと、許して。
鞘(さや)に帰って。
不毛な戦いにボロボロになり、いかに不毛かに気がついて
その戦いを諦めたとき
自分が愛だったのだと
自分が鞘だったのだと
貴女自身の猛烈なあたたかさに
気がつくものです。
あなたが
あなたで
在れたとき
誰の何をも愛おしく
許せないことなどがなくなり
自分が居なくなり
自己主張も不要となり
何かを手に入れよう
何かを確かめよう
といった種のことが
すべて要らなくなります。
自分を愛せてしまったら
ただ自分は居るだけでいいのだと
腑に落ちます。
戦いのあとの静けさです。
あなたは
あなたの
ままでいい。
あなたは
あなたの
ままがいい。
物質として美しくなりたいなら
どうぞ気が済むまで。
何かを手に入れたいなら
どうぞ気がすむまで。
あなたが
あなたの
やりたいように。
その先で、待っているのは
欲しいものよりも遥かに壮大な
あなた自身の、あたたかさです。
冷え切らないと
あたたかさは感じませんからね。
どうぞ、思いのままに。
病みたければ病んで
泣きたければ泣いて
落ちたければ落ちて
行くところまで。
大丈夫だから。
どんなあなたも、あなた、だから。
あなたがあなたを憎むのは
あなたがあなたを大切だから。
どうでもいいもののことは頭にないものだし、自分がどんなに醜くて、どんなに嫌な人間かを考えているあいだじゅう
あなたは
あなたを
思ってる。
自分のことがどうでもいい人なんて、いないから。
あなたは
あなたを
好きだから。
私は、貴女が好きですよ。あなたが誰だか知らないけど。
自分のどうしようもなさを、どうしようもないと知っているあなたも、知ろうとしているあなたも、知りたくなくて逃げるあなたも、好きですよ。
まるで、自分を見ているようだからね。
誰かに愛されたいと渇望するのは、自分を愛したいという熱望だから。
さて、また夜更かししちゃったのでもう寝ます。
写真はわたしの靴たち。
……
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