あなたも親も、間違っている。

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今日は、

20年来の友人と
恵比寿で会ってきました。

彼女は、この8月に
ふたり目の子供を出産して

そのときに
全身の血が入れ替わるほどの

大量出血をして
しばらく入院していました。

「出産って、命がけっていうけど、ほんとだね」

その言葉が、
本当に重みをもっていました。

わたしも息子が一人いますが

30時間超の陣痛の末
やっと出てきました。

初産では
そのくらいの人は多いようですが

何分かごとにくる
息もできないほどの痛み。

痛み、っていう範囲じゃない範囲が
全体的に、すごい、感じになります。

出産するまでも
10ヶ月ちかく

初めてのことばかりで
むやみに不安になりながら

どんなおかあさんも
やっとの思いで産むのです。

自分のなかに居た命が
外に出てきます。

その子が

一人で歩くようになり
一人で食べるようになり

少しづつ
少しづつ

なんでもできるように
なっていきます。

それを

一喜一憂しながら
毎日、毎時、見守ってきた。

あなたも
そうやって

見守られてきた。

あなたと
あなたの親の関係が

いま、どんなものかは
私は、知る由もありませんが

もしかしたら、わたしのように
離れてしまったかもしれませんが

どんな母親も

命を使って
全部の内臓を使って

あなたを産んだ。

内臓を損傷して
筋肉も損傷して

あなたをこの世に出した。

どんな、母親でも。

わたしのような
不器用な母親でも。

それだけの、命、なのです。

愛、とかいう一文字で
語れるものではありません。

あなたは
それだけの、存在、なのです。

わたしは41歳です。

もし、わたしの母親と同じように
25歳で出産していたとしたら

子供は16歳。

高校一年生。

この未熟なわたしに
高校生の子供がいたら、と思うと

それを、わたしの母親は
働きながらやっていたわけですから

そのうえ兄弟がいたわけですから

どんな毎日だったでしょうか。

自分に手をかける時間もなく
毎日が過ぎていって

疲れても明日が来て。

あなたの親は
どんな親ですか(でしたか)?

あなたがもし
悲しい思い出を持っているとしたら。

たぶんね
その人は、その人なりに

あなたの幸せを
願っていたと思うのです。

それを表現できていたか
それを実現できていたかは

わからないけど。

わたしにもし
高校生の子供がいたとしたら

何か十分なことが
できているかどうか。

何もできていないだろうと
思います。

ご飯を食べさせて
洗濯したものを着せて

世の中の親がやっているようなことは
やってやれたとしても

それが
子供の心に届くなにかだったか

まったく
自信がないです。

どこの親子でも
20年くらいの差をもって

人生をいきている。

住んでいる世界
見えている世界

すべて違う、ともいえるでしょう。

わたしの親は

日本の高度成長期を
つくってきた世代です。

なんでも

頑張っただけ成果がでて
頑張っただけ報われた

おおまかには
そういう時代でしょう。

けれどわたしの世代は
就職氷河期、まっただなか。

仕事に就くことすらできない
人もいる。

けど、今の20代のひとたちは
生まれた時からネットがあって

起業しているひともいる。

たった、20年。

たった、20年違うだけで
まるで、世界が違うのです。

さて、

わたしの息子が20歳になるときは
わたしは56歳。

何を共有できるか
何を理解しあえないか

それすら
まったく見当がつきません。

なので

おそらくは

彼の思いにフィットしないことを
説いたりすることも

あるのではないかと思います。

だから
もし、伝えられるとすれば

わたしは間違っているだろうけど
あなたをただ愛してる。

それだけは
伝えられる。

それだけを
伝えていこうと

思った今日でした。

誰もが
自分の人生で、精一杯。

自分の目から見える世界を
捉えて生きるので、精一杯。

あなたもそうなら

きっと、あなたの親も
いまも、そうかもしれません。

死ぬまで、
思い悩むことは

減るくらいで
あるのかもしれないけど

誰もが器用に生きたいけれど
誰もが迷いながら生きている。

だから

許しあってしまえば。

そして

あなたは
あなたを
生きてしまえば。

明日のあなたを
今日までを忘れて。

無邪気に。

生まれたてみたいに。

それを

あなたにも
だれかにも

許して。

明日も楽しくなるよ。

加奈子

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