願いが叶う「土」のつくりかた

fullsizerender-161女性にとって、たったひとつ、生きるために大切なことがあるとしたら

あなたの手で、今、触れることができる「幸せ」に集中すること。

だと思います。

つい

「いつか」

という、ここにはない未来や過去に囚われて、今ここに存在することの美しさや、いま目にしているものへの関心は、どこかに追いやって

「いつか」

を追い求めるように教育されてきた、わたしたち。

「目標を持ちなさい」

と教えられ

「いつか夢は叶う」

と教えられ

「苦あれば楽あり」
「だから、頑張れ」

と尻を叩かれ

いま感じる、ことができたのは
たたかれた尻の痛みだけ。

その痛みを強く感じれば

「いつか」夢は叶うと信じ込み

いつしか

痛みだけを追うようになり
足りないものを追うようになり
叶わぬ恋を追うようになり
いまないお金を追うようになり。

優しい女性たちは
マーケティングにまきこまれ

起業してみたり
綺麗になろうとしてストレスをためたり

結婚すれば…
彼氏ができれば…
お金があれば…

「いま、ここにないもの」

を追い求めて

「いつか、そうなるのだ」

と疑わない。

優しい、女性たち。

「いま、ここにないもの」を

追い求めているときには

とても、充実感があります。

探して
走り回って
手に入れようと画策して。

そのあいだじゅう

心も
体も

忙しく、していられるから。

けどね

忙しく、しているあいだじゅう

「忙」という漢字の通り

「心を亡くしている」のです。

心を亡くしてでも

無心、になってでも

集中、して

獲物を追うのは、男性の仕事です。

男性にとって、仕事は

人生そのもの、です。

獲物と格闘することは
命がけです。

武道でもそうですが

「無心」になり、
集中しているからこそ

「ゾーン」

のようなところにも
入ることができます。

日常、使っていないような
領域までを使って

命をかけて猛獣と戦い
その命を持って帰り

家族を養うのです。

命がけで、獲物を獲って
満身創痍で帰宅した男性が

倒れこむようにして
体を休めるのが

女性という居場所です。

もし、そこに

同じように、無心になって
何かを追い探している女性がいたら?

家のなかに、男が二人いる

そんな状態になるのでしょう。

わたしは
起業して14年、

ずっと仕事をしてきましたが

ずっと、男だったと思います。

だから、やめました。

男、やめました。

女になりました。

忙しく働くこともやめましたし
いまはこうやって書くことくらい。

きままに。

わたしに仕事があるとすれば
居場所、でいることかなと

思っています。

わたしが心安らいで
わたしが楽しんでいて
わたしが綺麗にして

わたし自身も安らぐような
「居場所」であること。

それが、これからの
わたしの「スタイル」かなと

思っています。

けど

仕事が大好きで
それが楽しくてしかたなくて

まったくストレスにも感じないのなら

それはその女性にとっては

楽しいこと
遊びの一つ、なのだから

どんどん、
楽しまれたらいいと思います。

それなら
おうちに帰ってからも

ニコニコしていられるでしょうし
寝れば体の疲れも取れるでしょうし

なんの努力もなく

男性にとっても
心地よい居場所

になっていることでしょう。

けど

眉間にシワをよせて
いつも疲れ切って

自分の楽しみも忘れて

ねばならない
ねばならない

に縛られて暮らしているとしたら

誰も、幸せじゃない。

未来のため?
いつかのため?

そのために
「いま」を捨てているのだとしたら

それは、まるで

土のないところに
種をまき続けているようなものです。

「いま」という土が

養分いっぱいでやわらかく

何を植えても育つだろうものだからこそ

あなたの願いも
育って叶っていくのです。

「いま」=「みらい」

なのです。

「いま」を捨てていたら
「みらい」などないのです。

仕事じゃなくても
子育てでも、同じです。

いまのあなたを捨てて
いつかの楽を選ぼうと

いい母でいなければならない

ねばならない
ねばならない

心も体も硬くして
いつも困って悩んで

そうしている間じゅう

あなたを居場所にしたい人たちも

いつも心と体を硬くして

子供なら
あなたのストレスを引き取って

あなたの代わりに
病気になってくれる子もいます。

そんなこと
あなたは望んでいなくても。

だから

「いま」の「あなた」の

コンディションが、
なにより大切なのです。

世界で一番
たいせつなのです。

あなたが世界で一番
たいせつなのです。

彼氏や旦那さんがいない方も
同じように、たいせつです。

あなた自身が
あなたの安らぐ場所でないのなら

満身創痍で
あなたのために戦ってくる

そんな男性との縁が出てこないのも
自然なことです。

たとえば

あなたに好きな男性がいて

その人に片思いをしたり
その人と望まぬ形の恋をしたり

そうやって

獲物を追い回して
手に入れようと画策しているなら

それは、

恋する乙女、の仮面をかぶった

男の狩り、なのです。

誰かを追うのは
獲物を追うのと同じです。

男でいる間は
男との縁は出てきません。

出てきても

男の仮面をかぶった
男ではないもの、でしょう。

あなたが
あなた自身の

心安らぐ居場所で在ること。

あなたが
女であること。

「居場所」であることは
「女」にしかできませんから。

男が凸なら
女が凹です。

収まる場所になれるのは
女だけ、なのです。

いつか、親に言われて

なにいってんだよ、と
思っていたことを

いま、ここに書いています。

「女は、家庭を守るものだよ」

時代遅れなんじゃなくて

らせん状に
一周回ったところで

そうなんだな、と思います。

「仕事なんて捨てて、家庭に入れ」

というメッセージにしか
聞こえなかったのですが

「自分のなかの男を捨てたくなるほどの男に出会って、その人の居場所になりなさい」

というのなら
とても、納得です。

自分の居場所を
探してきました。

ずっと。
ずっと。

泣きながら探して
生きてきました。

そして、
わたしは見つけました。

というよりも
それを、もらいました。

必死で居場所を探していたときは
男、だったと思います。

自分が、ここにいるだけで
誰かの「居場所」だったのだと

思い出した。
知った。

それまでは
満身創痍の旅でしたが

自分のなかの「男」が死ぬまで
男をやったので

やっと「女」が残り
目を覚ましました。

やわらかい土でいるために

わたしは、今日も
楽しいことをします。

自分の体をいたわります。

心のコンディションに
細心の注意をはらいます。

無理はさせません。

ただ、女であることを
ただ、居場所であることを

整えることを
そのものを楽しみます。

あなたは男ですか?
あなたは女ですか?

わたしは、ずっと男でしたが
やっと女になりました。

片方をとことんやったから
もう片方がわかったんでしょうけれどもね。

あなたはわたしなんかより
もっと早く

「あなた」に気がつくでしょう。

さて
あなたは?

あなたの居場所は
いまも心地よいですか?

あなたを責めて
追い立てたりしていませんか?

もう、あなたを許して。

ただの女であるあなたを許してもいい。
ただの居場所でしかないあなたを楽しんでもいい。

「いつか」じゃないの。
「いま」叶えてあげて。

自分の心地よさを。

いま、できる
ささいなことで。

その積み重ねで。

毎日。

内藤加奈子