苦しみのメリット。〜銀座クラブの裏話

img_6154-3悲しいきもちを
吐露するような

メールが届きました。

わたしのメルマガへの
ご感想でした。

悲しみや、
何かへの憎しみが

そこには読み取れたのだけど、

この人を
抱きしめたい気持ちになりました。

・・・・・

彼女は、
水商売をされているそうで

メールには
このようなことが書いてありました。

「加奈子さんは働いていたお店は、水商売のなかでもごく一部のタイプのお店で、それをあたかもすべての水商売に当てはまるような言い方はやめてください」

そんな綺麗なことばかりではない、
昼も夜も働いている女性もいる、
あなたのお店のようなのは特別だ、

もっと大変なのだ、
理解しろ

そのような意味に、
私には読めました。

・・・・・・

この方の
おっしゃる通りなのです。

わたしが
拾ってもらった銀座のクラブは

老舗中の老舗でした。

銀座にまだ「クラブ」というものが
存在しなかった頃に開店した

いわゆる

「文壇バー」。

昭和の文豪たちや
たたき上げの初代の経営者が楽しむ

「社交場」から派生したものでした。

私がお世話になっていた頃も、

ママから女性たちへの
教育は適切に厳しく

服装、言葉などの
マナーに関しては

叱られることも
一度ではありませんでした。

その、教育の行き届いていることから

昭和の昔は

「嫁にもらうなら、○○(お店の名前)の子をもらえ」

と言われるような

奥さまやお嬢さまを連れて
お食事のあとに寄られるような、

お客さまに名刺をせがむことは
はしたない、とされるような、

お客さまからの連絡は
お店に電話がかかってくるような、

なんといいますか

かなり「古風」なお店

でした。

今、銀座に多くある
テレビドラマに出てくるような

売り上げを競うようなお店とは
まったく違うお店です。

そのようなお店も
あったのです。

・・・・・・・

しかしながら、

ここに書くのは

お店の名誉のために憚られるのと

これまで、
書く必要を感じなかったので

触れずに来たのですが

お行儀のよくないお客様も
いらっしゃいました。

常連のお客さまではなく
少し疎遠になっているお客さまでしたが

体を触られる、
それ以上のことも

実のところ、

一度ではありませんでした。

しかし、それも

わたしの勉強不足で
対応がうまくいかないことが原因でした。

こういう場合は
こうなるのだ

経験から
学習しました。

同じ時期に勤めはじめた女性がいたのですが、

彼女は、いくつものお店も経験していて、いろいろと目をかけてくれました。

あるとき、
わたしに教えました。

「かなちゃん、この仕事が、お昼間の仕事よりもお給料がいいのは「危険料」よね。かなちゃん気をつけて。」

ですが、

自分が選んだ道です。

すべての経験が
知恵を授けてくれました。

・・・・・・・

実は、わたしは

思えば、というくらい
古い記憶になっているのですが

この銀座のクラブ以外でも
働いたことがありました。

思い出してみると、3件かな。

20代のころ
住んでいた街でスカウトされた、

あれはキャバクラの類だったのかな

知人の手伝いで
あれは、スナックになるのかな

コンサルタントになってからも、

女性が足りない銀座のクラブに
手伝いに行っていたこともありました。

女性たち
男性たち

強さ
弱さ

いろいろなものを目にしました。

しかし、

それらの事象を使って
卑下することはありませんでした。

自分が選んで
その場所にいて、

自分が選んで
経験したこと。

その人と、自分が
その場所、自分が

癒着することは
ありませんでした。

わたしが、
ひどく傲慢な女だからだと思います。

わたしを評価できるのは
わたし自身のみであり

わたしを貶めることができるのは
わたし自身のみであり

誰も私を
傷つけることもできなければ

誰も私を
所有することはできない。

誰にも、渡さない。

体という物質は、
心を反映するほど密接だけれど

誰も、

わたしの精神を

奪うことはできない。

体が、どのようであっても

わたしの精神にだけは

誰も
触れることはできない。

これがわたしの考える

「自尊心」なのだろうと

解釈しています。

10代の頃に味わうことができた孤独が、それを与えてくれました。

・・・・・・・・

好きな言葉を
思い出しました。

確か、映画「ショーシャンクの空に」のなかの一節です。

「音楽は、決して人から奪えない」

のような言葉だったと思うのですが

刑務所の中にいても
独房の中であっても

頭のなかで流れる音楽は
誰をも奪うことはできない。

そうなのです。

誰かが
あなたに何を言おうと

誰かが
あなたに何をしようと

誰かが
あなたを奪うことはできない。

そこに

「自分が選んでいる」という
「自負」からくる

「自尊心」

がある限り、

自分がいる場所を

独房だとするのか
静かな茶室だとするのか

そこで目を閉じた時に広がる世界は

全く別のものになるでしょう。

自分で、
選ぶことができる。

やっているのか?
やらされているのか?

生きること、
死ぬことすら

自らが創り出しているのだから。

きっと、今が辛いのでしょう。
きっと、今が望ましくないのでしょう。

ですが、そこにも

「メリット」

が存在するのです。

自分を貶めることで
親に復讐している場合も多くあります。

わたしの場合は、

「親」はもちろんですが
「この世」に対して復讐してきました。

生まれてきたくなど
なかったからです。

子宮の中が、あまりに快適で

この世の苦しさに怒りを覚え

散々、親兄弟に世話をさせ

大人になれば男の人に世話をさせ

そのくせ

「あの人がわかってくれない」
「こんなことばかりが起こる」

と、

復讐のためのきっかけを得ていた

それが「メリット」でした。

復讐の力によって
自分を動かし

起業して失敗し
銀座で自分を働かせ

まるでジェットコースターのような乗り物に乗せ

ギャーギャーと奇声をあげて
生きて来ました。

まるで赤ん坊が、
オギャーオギャーと叫ぶように。

この世がどんなに不快な場所かを
証明することに成功し続けていました。

そのための

「メリット」を

満載に見つけながら生きて来ました。

しかし、

その頃の自分に

「今の状態にメリットがありますよ」
「自分がしたくて選んでいることですよ」

なんて言ったら

どう感じたか。

自分でも、わかりません。

いわゆる無意識、深層意識、潜在意識の部分であるので、

紐解いていくことで

ご本人も認識してこなかったような思いが、埋蔵されていることがほとんどですから。

ただ、

すみません、

メールをくれた「彼女」を

「自分」だと感じました。

出会う人は、すべて自分の一部を反映したもの、ともいいますが

そのような理論を超えて

そこには私がいました。

声をかけるとしたら、

「よく頑張ってきたね」
「頑張って、生きて来たね」
「つらかったね」
「泣くことすら、忘れたね」
「泣いたら、負けたっだね」
「いつも人と争っていたね」
「疎まれたりしたね」
「それでも、生きようと必死だったね」
「何かを見つけようと、どこかにたどり着こうと、必死だったね」

だけど、

でも、

もう泣いていいんだよ。

泣いてもどうにもならないことで
泣いてもいいんだよ。

今のその心の響きを
この空気に乗せてやらなかったら

泣いて震わせなかったら

その振動は

その抑えられた振動は、

体の中に抑え込まれて
溜まっていくばかりで

いつか体を
腐らせてしまうから。

一人で、泣くんだよ。

自分の泣き声を
自分で聞いてやるんだよ。

泣いてもどうにもならないことで
泣いていいんだよ。

感じる、ことが目的なら

人を恨み憎みしたっていい。

そのとき、心の中で、それを感じていい。

どれも、

自分にだけは、聞かせてやるんだよ。

自分にだけは、秘密を作らないことだよ。

「本当はね・・・・・・」

そこから、はじめるんだよ。

自分との関係を
自分との信頼関係を

構築しなおすこと

それは、
あなたの世界を変えるでしょう。

その場所にいるままで
別の世界に暮らすようになる。

実際に、その世界を
卒業する場合もある。

あなたには、

その力がある。

信じてください。

自分が創れる、ということを。
自分で創って来た、この現実を。

どうか。

自分を苦しめることもできる。
自分を支えてやることもできる。

あなたには、その力がある、ということを。

内藤加奈子

内藤加奈子(ないとうかなこ)
1975年東京生まれ。1日生きて居るのがやっとという10代を過ごし、アパレル業界を経て起業するも失敗し、無一文となり、銀座ホステスを経て、再び起業。店舗コンサルタントとして8冊の本を執筆。小規模商店から大手企業までをクライアントに持つ。1児のシングルマザー。

 

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