冷蔵庫と泣いた話。

img_1444-1わたくしごとですが、

実は、

「冷蔵庫」

を買い換えました。

うちは、

子供と私の
二人なので

小さな小さな
一人暮らし用のものを使っていました。

いや、

二人だから、というより

その当時

お金がなくて、

その大きさのものしか、買えなかったのです。

・・・・・・・

6年前。

元主人と暮らしていた
高級住宅街にある家から

0歳の息子を抱えて

二人で、
暮らし始めました。

小さな小さな、
古いマンションを借りて。

窓を閉めても
どこからか風が吹き込んで

カーテンが動くような部屋でした。

季節が
春でしたので

寒くはありませでしたが

その部屋には、
何もありませんでした。

二人の洋服と、
子供のおもちゃ

最低限の生活用品。

赤ちゃんを
抱っこしながら

部屋のすみっこで

泣いたことも
一度ではありませんでした。

それから
少しずつ、

お仕事を増やし、

生活に必要なものを買い揃えていき

みなさんに
お仕事をいただいたり

いつも、
助けていただいて

おかげさまで

今のように
暮らすことができるまでになりました。

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冷蔵庫もそうですが

いまの家電は
よくできていますから

そうそう壊れないものですよね。

なので、

その小さい冷蔵庫を

なんとなく
使い続けてきました。

しかし、いよいよ

息子も大きくなり

0歳のころは
ちょっとの離乳食とミルクだったのが

今では

ごはんもおかずも
おかわりするようになり

小さな冷蔵庫では
必要なものが

入りきらなくなっていました。

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おかしいかも
しれないですが

古いほうの冷蔵庫の

写真を撮りました。

玄関の外に
運び出された姿を見て

涙が出ました。

いまも、
これを書きながら

空港のロビーにいるのに

涙が出ます。

・・・・・・・・・

冷蔵庫を
運び出してくれた業者のかたにも

「なんかね、名残おしいんですよ。一番つらかったときに買って、今までだったので」

というと

「一緒に、写真撮りますか?」

って言ってくれて。

冷蔵庫と私の
記念写真を撮ろうとしてくれたのですが

気恥ずかしくて

それは遠慮してしまいました。

でも、撮ってもらえばよかったです。

「ありがとうね。一番辛いときを一緒に過ごしてくれたね」

そう言って、

冷蔵庫を撫でて
送り出しました。

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思えば、最近

古い洋服を
整理しようと

袖を通してみたのです。

今の私には
まったく似合っていなくて

おかしくて
笑ってしまうほどでした。

すごく気に入っていて
また着たいな、と思っていたのですが

そのお洋服とも

お別れすることに
なりそうです。

そういう

「タイミング」

なのかもしれません。

あなたも、

物との別れに

何か感じたことは、ありませんか?

・・・・・・・・・
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さて、そろそろ

飛行機に乗ります。

今日は、高知です。

 

 

内藤加奈子

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